2024/07/05

新1,000円札の顔。
破傷風から人々を守った北里柴三郎。

7/3(水)から新紙幣の流通が始まりました。
今回、新1,000円札の顔に選ばれたのが、北里 柴三郎
抗体を用いた血清療法を開発し、破傷風から人々を守った、「近代日本医学の父」です。

<破傷風とは>
破傷風菌が引き起こす感染症です。
菌が生産する毒素により、開口障害や呼吸障害、筋肉のけいれんなどに陥ります。
日本ではワクチン接種等の効果で感染者・死亡者が大きく減少していますが、世界では致死率が約50%といまだ多くの人々の命を奪っています。

北里は、東京医学校(現:東京大学医学部)を卒業後、ドイツに留学し「細菌学の父」ロベルト・コッホ博士に師事。
そして1889年、当時不可能と言われていた破傷風菌の純粋培養に成功、翌1890年には、破傷風の症状は細菌が出す毒素が原因であることも突き止め、世界を驚かせました。

さらにその際、毒素の濃度が低い培養液を注射するとマウスが生き続けることに北里は着目します。
そのようなマウスには、毒素の濃度を高めたものを注射しても死亡しませんでした。

「この方法であれば、破傷風の免疫を獲得できるのではないか」と北里は考えます。
そして、生き残ったマウスから採取した血清と破傷風菌や毒素を混ぜたものを別のマウスに注射すると、そのマウスも破傷風にはかからなくなることを発見します。

こうして開発されたのが血清療法です。
当時、まだまだ世界的に感染者が多かった破傷風やジフテリアの予防に用いられ、多くの人々の命が救われました。

北里の研究は、破傷風ワクチンの開発を始め、その後の医療にも大きな影響を与えています。

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乙津 俊輔

広報・啓発・教育グループ所属。広報啓発活動や、画像使用申請、講師派遣などを担当しています。

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