世界の子どもにワクチンを 日本委員会
ドナーケアグループ
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コープデリ リサイクル回収

リサイクルへの取り組みからワクチン支援へ

ペットボトルキャップ回収で子どもワクチン支援を行っている関東信越の6生協が加盟するコープデリ生活協同組合連合会(以下「コープデリ」)※。コミュニケーション・CSR推進室のご担当者に活動についてお話をお聞きしました。

※コープデリは、会員生協(コープみらい・いばらきコープ・とちぎコープ・コープぐんま・コープながの・コープにいがた)とコープネットの子会社で構成する生協の連合会です。

JCV(以下J).現在のお仕事内容を教えてください。

コープデリ(以下C):2011年からコミュニケーション・CSR推進室に所属し、コープデリグループの環境への取り組みをメインに担当しています。環境への取り組みの広報や、2016年からは、募金活動や国際貢献活動などの事務局も担当しています。ペットボトルキャップ(以下「キャップ」)回収運動も環境の取り組みの中のひとつですので、JCVへの支援にも関わっています。

J.環境への取り組みの中でキャップ回収運動を行っているということですが、コープデリグループの子どもワクチン支援について概要を教えていただけますか?

C:コープデリグループの各生協では、店舗と「コープデリ宅配」で20年以上前からリサイクルの取り組みを行っています。その中で2012年からキャップ回収を開始しました。集まったキャップをリサイクルする際の資源売却益はJCVに直接寄付しています。

J.キャップ回収で子どもワクチン支援、を耳に入れていただいたきっかけは何かありますか?

C:もともと「キャップを集めるとワクチンになるよ」というキャップ回収運動は地域単位で行われていたこともあり、組合員の方からの「コープでもキャップを集めてワクチンにつなげてほしい」という要望はずっとありました。

J.組合員の声がきっかけだったのですね。こうした声をどのように集めているのですか?

C:「電話」「メール」「カード」「お申し出」の4つの方法で組合員の声を承っています。寄せられる声はコープネットグループ全体で年間15.9万件にのぼります。「カード」の一つ「こえのポスト」は組合員自身に要望などを書いていただくもので、店舗や配達時にお預かりしています。また職員が組合員との会話の中で聴いたことや組合員のお買い物の様子などを観て気づいたことを記入する「観たこと聴いたことカード」というものもあります。全ての声は本部に集め、分析・共有し、サービスの向上や商品の開発・改善につなげています。リサイクルに関する要望はまだまだありますね。実現できているものもできていないものもあるので、これからも引き続き検討はしていきたいです。

J.すばらしいシステムですね。宅配でキャップを回収しているとのことですが、回収時に配達担当の方から業務が増えることへの意見などが出ませんでしたか?

C:「ゴミを集めるのが仕事じゃない!」という現場の声は実際にありました。それでも、コープデリグループとしては、環境への貢献と組合員への貢献を目指していましたので、現場に負担をかけない工夫もし、理解してもらいました。例えば、各家庭で一度に大量のキャップを出すのではなくこまめに出してもらったり、カタログや商品を包むビニール袋、これはもともとコープデリグループのリサイクル品目の1つですが、この中にキャップを入れて出してもらうようにしたり(写真参照)、各家庭でのキャップの出し方を工夫してもらっています。こうしたリサイクル品の出し方なども含めたリサイクル案内は定期的に組合員に発信していますが、これからも力を入れていきたいと思っています。

J:支援にあたり、数ある支援団体の中で、なぜ、JCVを選んでくださったのでしょうか?

C:キャップ回収を通してワクチンにつなげてほしいという組合員の方の声があったので、「キャップでワクチン」が最初からありました。キャップをワクチンにつなげてくれるのはJCVだけなので、最初から支援の第一候補でした。その時に議論になったのは、キャップ売却益といっても微々たるものだから、その分をそのまま寄付すれば良いのではないか?という意見です。ただ、やはり組合員の方の声はキャップでワクチンでしたので、その声を大事にしました。また、コープデリグループでは、ユニセフ募金やハッピーミルクプロジェクトという途上国の子どもの栄養改善プログラムを通じてユニセフと強い関わりがあり、世界の子どもの健康を守る取り組みと親和性が高かったこともJCVを支援する大きな理由のひとつであったと思います。

J:まさにおっしゃった「世界の子どもの健康を守る」という部分ですが、年間150万人の子どもがワクチンがないために命を落としています。これは1日にすると4,000人、もっと細かく秒にすると、20秒に1人の割合です。こうした子どもたちに私たちはワクチンを贈っていますが、この子どもワクチン支援について、どのようにお考えですか?

C:やはり世界で20秒に1人も子どもが亡くなっていること、しかもそれはワクチンさえあれば守ることができる命だということは、せっかく生まれてきたのにかわいそうだし、とても残念なことだなと思います。こういう事実を知っても、自分で現地に行って何かをすることはできないので無力感も感じます。その中で、キャップを集めることはお金がかかることではないし、子どもでも小学校でもできることです。誰でもできることでワクチンにつながる仕組みは、意味があることだと思います。こうした情報は組合員向けの学習会でお話したり、JCVへの支援内容はリサイクルパンフレットでお知らせしたりしています。

J: JCVの活動への支援をお考えの企業や団体の担当者へ一言メッセージをお願いします。

C:20秒に1人、お子さんが亡くなっている現実は非常に悲しいことだと思います。他にも、貧困など世界には問題がたくさんありますが、その中で、何か世界の子どもたちを救うことを検討しているのであれば、子どもワクチンに特化したJCVを応援するというのも1つだと思います。一般的には、寄付をしても具体的に何に使われているのか自分たちで知ることは難しいと思うのですが、JCVは子どものワクチンに特化して支援をしているので分かりやすい。JCVを支援するのも良いのではないかと思います。

編集後記

「キャップも回収して、ワクチンにつなげてほしい」という組合員からの声から始まったコープデリグループのキャップ回収運動。組合員の声を吸い上げ、団体としてキャップ回収を継続的な事業として運営していく安定したシステムがあることが印象的でした。その基盤となったのが2010年に設立されたコープデリのエコセンターです。1ケ所にリサイクル品を集中して大量に集め、効率的に処理することができるようになり、リサイクルが事業として安定したそうです。また、コープデリグループのキャップリサイクルの取引先は、キャップの色や材質ごとに分ける高い技術を持っているため大手の家電製造会社からの引き合いがあるそう。ご担当者が最後におっしゃった「こうしたリサイクル業界の努力なしには、リサイクル事業は安定化しない」という声はまさにその通りだと思いました。キャップ回収運動をより活性化するためには、キャップを集める側とリサイクル素材に換える側のシステム作り、そして売却益を受け取り支援を行う私たちJCVが透明性の高い活動を継続することが大事なのだと思います。

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