2016/07/20

救える命がそこにあるから

ラカイン州に住むリンウラッさんは、1歳5カ月になる息子のことが不安で仕方ありません。息子はしばらく熱っぽさが続いています。熱は、病院でもらった薬を飲ませても幾度もぶり返します。リンウラッさんにできるのは、息子が元気を取り戻すことをただ願うだけでした。

家族で両親が住む村に出かけたある日、家に着いたリンウラッさんは気がつきました。息子は、うまく立ち上がることができません。まだ熱っぽい体で何度も立とうとしますが、そのたびに倒れてしまいます。リンウラッさんはすぐに病院へ駆け込みました。

リンウラッさんの息子は、ポリオウイルスによる小児まひを起こしていました。ポリオウイルスは、子どもの神経に侵入して体の自由を奪います。現在の医療でも治療方法はなく、まひが呼吸筋にひろがり命を落とす子どももいる感染症です。ワクチンで予防するほかに、ポリオウイルスから子どもを守る方法はありません。医師の話をききながら、息子のワクチン接種を逃してしまっていたリンウラッさんは自身が役立たずだと感じるほどのショックを受けました。

それから数カ月がたった今年1月。ポリオワクチン集団接種会場に、リンウラッさんの姿がありました。リンウラッさんは、ボランティアとしてワクチン接種を呼びかけています。

「ワクチンを接種できることは幸運なことです。そのワクチンは、私たちが必要なタイミングで息子に届けることができなかったものです。」

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高橋 昌裕

ドナーケアグループおよび広報・啓発・教育グループ グループ長。支援者の皆さんとのコミュニケーションを担当しています。

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