2015年10月24日の世界ポリオデーを記念したシンポジウム「最終段階にきたポリオ根絶の危機に向けた日本の挑戦」が10月26日に衆議院第一議員会館で行われました。
今年の10月中旬に「世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟」所属の国会議員が、ポリオ野生株常在国の1つであるパキスタンを訪問しています。本シンポジウムでは、その視察報告やビデオも上映され、ポリオ根絶というテーマについて改めて考えさせられるいい機会となりました。
(国会議員によるパキスタン視察の様子はこちらから動画でご覧いただけます。)
パキスタンのポリオ対策は、レディ・ヘルス・ワーカー(Lady Health Worker)と呼ばれる女性の保健師を中心とした活動が展開しており、インフラとして整備されつつあります。しかし、反政府勢力によるワクチン接種への抵抗や、援助関係者を含めた外国人が入れない地域があるなど、ポリオ予防の前線はまだまだ厳しいのが現状です。決して楽観できない状況ではあるものの、政府の保健に対するリーダーシップが強化されているなど改善が見られ、一部のパネリストからは、「(治安の安定など条件が整えば)2016年にはパキスタンでポリオフリーも可能である」とした前向きな意見も出ました。
ついに今年、ナイジェリアがポリオ流行国リストから除外され、ポリオの野生株ウイルス常在国はアフガニスタンとパキスタンのみです。JCVでは2014年にポリオ撲滅緊急支援募金としてパキスタンにコールドチェーン関連機器を贈っており、皆さまのあたたかいご支援が着実にパキスタンのポリオ撲滅を支えています。
地球上からポリオが根絶されるまであと少し。手綱を緩めることなく、引き続き世界中がこの問題に向き合い、協力し続けることが重要です。ポリオ感染予防のため、これからも皆さまのご支援をお願いいたします。
シンポジウムの詳細はこちらから