ポリオに罹り、人口呼吸器「鉄の肺」と共に70年を生き抜いたアメリカ人のポール・アレクサンダーさんが、今年3月に78歳で亡くなりました。
70年以上を鉄の肺と共に生き、マヒに負けずに挑戦を続けた方でした。
ポールさんは、6歳の頃にポリオにかかりました。
症状は重く、首から下が全てマヒしてしまいました。
当時、アメリカの病院には同じような子どもが何百人もいたと言います。
1950年のアメリカの病院。病棟が鉄の肺に入ったポリオ患者で埋め尽くされている。
18か月後、退院できることになりましたが、鉄の肺なしに息をすることはできません。
ポールさんの両親は、医師から「残念ながら、息子さんは長くは生きられないだろう」と告げられていました。
しかし、ポールさんは諦めませんでした。
3年ほどかけて、「カエル呼吸」と呼ばれる特殊な呼吸の仕方をマスターしたことで、体はマヒしたままですが、ポールさんはわずかな間なら鉄の肺から出られるように。
その時間は少しずつですが、延びていきました。
10年以上かけて、数時間であれば鉄の肺から出られるようになったポールさんは高校に入学し、自宅学習のみで、校内2番目の成績で卒業します
さらに、アメリカ有数の名門テキサス大学オースティン校のロースクールを卒業し、なんと40歳の時には弁護士の資格も取得。
その後、特注の車いすなどを使い、30年にわたって法廷で活躍しました。
左:ワクチンを村に運ぶ看護師。
右:経口ポリオ生ワクチンを接種する赤ちゃん。
パレスチナのガザで25年ぶりの感染者が確認され、パキスタンでも30人以上の感染が見つかるなど、現在、再流行が懸念されているポリオ。
ポールさんのように、ポリオで苦しむ子ども達が1人でも少なくなるようにJCVは活動を続けていきます。
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ポリオワクチンは1人分20円。1,000円のご支援で50人分の子ども達にポリオワクチンを贈れます。
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