2025/10/30

日本国内での風疹の排除がWHOに認定されました

今日は、日本国内の感染症予防についての嬉しいニュースをご紹介します。3年間、日本在来のウイルスによる風疹の発症者が確認されなかったため、国内での風疹の排除がWHOから認められました。

風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。全身に発疹が現れますが、症状ははしか(麻疹)に比べて比較的軽いことが多く、多くの場合は「何の発疹だろう」と思っている間に治るため、「三日ばしか」とも呼ばれます。また感染しても約15%は無症状のままです。しかし、妊娠中の女性が感染すると、先天性心疾患、白内障など赤ちゃんが重篤な障害を持って生まれてくる「先天性風疹症候群」を発症することがあります。

 
左:風疹ウイルス
右:先天性風疹症候群により、緑内障を発症した赤ちゃんの目

日本では、赤ちゃんの頃に誰もが当たり前に接種を受けられるようになったことで、多くの感染症で感染者数は大幅に減少しました。しかし、風疹は事情が異なりました。1979年までは「女子のみ」を対象に集団接種を行っていたり、それ以降も、個別接種の対象となった年齢が高すぎて接種率が低かった影響が大きく、風疹ウイルスに対する十分な免疫を持っていない男性が多かったのです。そのため、近年でも、2018年、2019年に年間2,000人を超える人が感染が発生するなど、なかなか流行を止めることができませんでした。

今回の国内排除は、接種に尽力した医師・看護師などの医療従事者の方々、未接種世代に対してワクチンの無料クーポンを配布するなどの施策を実行してきた行政の方々の努力の大きな成果です。日本は、また一歩、赤ちゃんにとって、安全で健康に成長できる環境になりました。

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乙津 俊輔

広報・啓発・教育グループ所属。広報啓発活動や、画像使用申請、講師派遣などを担当しています。

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