2025/06/11

過去最高の2万5,037人が既に感染…
百日咳にご注意ください

昨日、国立健康危機管理研究機構(JIHS)から、国内における今年の百日咳の感染者数が、累計で2万5,037人に達してしまったという心配な報告が発表されました。まだ5カ月しか経っていないのに、感染者数の全数把握が始まってから、過去最大の大流行となってしまっています。

東京都と兵庫県では、百日咳に感染した赤ちゃんがわずか生後1か月で亡くなってしまいました。どちらも抗菌薬が効きにくい耐性菌に感染しており、発症してからの治療は困難だったと報道されています。

また、昨年には、世界各国で百日咳の大流行が発生しています。中でも、フランスでは13万人以上が感染するという事態に陥り、35人もの死者が出ました。そのうち、22人はちいさな子ども達でした。

百日咳はどんな感染症?

症状
・百日咳菌が引き起こす細菌感染症です。
・コンコンと続く激しい咳とヒューと音を立てて息を吸う発作が特徴です。
・大人は感染しても命にはかかわらないのですが、生まれたばかりの赤ちゃんにとっては危険で、窒息したり、肺炎や脳炎を起こして命を落とすこともあります。

強い感染力と広がる流行
・、1人が平均で何人に感染を広めるかを示す「基本再生産数」は16-21。1.3のインフルエンザ(季節株)と比較しても、非常に強い感染力があることがわかります。
・WHOによれば、世界全体で年間の感染者数は1,600万人以上、死亡者数も19万人以上とされています。感染者の95%は開発途上国の子どもたちです。
・先進国においても、小学生~大人の患者が増えています。感染した両親や兄弟姉妹から赤ちゃんに伝染り、重篤な状態に陥るという悲しい事例も多く発生しています。

 

左:百日咳に感染した子ども 右:百日咳菌

JCVでは今後も感染症の流行に関する動向を注視してまいります。皆さまも、体調に気をつけてお過ごしください。

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乙津 俊輔

広報・啓発・教育グループ所属。広報啓発活動や、画像使用申請、講師派遣などを担当しています。

認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを日本委員会 japan Committee Vaccines for the World’s Children

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