2025年4月21日(月)~4月25日(金)は「世界予防接種週間」です。コロナ禍以後、世界各地ではしか(麻疹、麻しん)が大流行し、今年に入ってからは国内でも発症例が多く報告されております。
UNICEFとWHOが発表した分析によると、2024年のはしかの症例数は、確認されたものだけで35万9,521件に達しました。特に、ヨーロッパおよび中央アジアの53カ国で報告されたはしかの症例数は12万7,350件に上り、1997年以降で最多になるという深刻な事態に陥っています。そして、患者の4割以上は、5歳未満のちいさな子ども達で、半数以上は入院が必要だったということです。はしかのワクチンは、2回接種する必要がありますが、彼らの多くは未接種か1回しか接種していませんでした。
また、今年に入って、アメリカではしかの大流行が発生しています。既に600人以上の感染が確認され、残念ながら2人の子どもが亡くなってしまいました。アメリカではしかによる死者が出るのは10年ぶりの出来事です。この流行でも、発症者の97%はワクチンを接種していませんでした。コロナ禍以後、ワクチン接種の遅れや接種忌避により、免疫を獲得できなかった子ども達がはしかの脅威にさらされています。
はしかの流行は、日本に暮らす私達にとっても対岸の火事ではありません。国立感染症研究所によれば、3月30日までに確認された今年のはしかの症例数は58件。これは、昨年同時期の2倍以上です。海外から帰国した人がはしかを持ち帰る形で発症するケースだけでなく、渡航歴がない人の感染も確認されています。
日本は、世界でも珍しいはしかの清浄国であり、在来のウイルスは既に存在しないと言われています。しかし、グローバル化が進んだ現代では、人と一緒にウイルスや細菌も移動するため、感染症が拡散する危険が増しています。清浄国である日本で、今年、はしかの症例数がこれだけ増加していることは、感染症に国境はないことを改めて示す事例と言えるでしょう。
世界のどこかで感染症の流行が起これば、いつ日本に持ち込まれてもおかしくありません。途上国の子ども達はもちろん、日本の子ども達を感染症から守っていくためにも、世界中で子ども達にワクチンを届け、感染症を予防することが非常に重要となっています。
はしかはどんな感染症?
はしかは、麻しんウイルスによる感染症です。全身の発疹や口内の頬粘膜にできる白い斑点、高熱などの症状が現れるほか、脳炎や肺炎といった様々な合併症を起こして死亡することも多い病気です。また、免疫を記憶する細胞を破壊する特徴も持っています。ハーバード大学の研究によれば、発症すると、獲得免疫の11%から73%が消滅すると言われており、完治した後も別の病気にかかりやすくなってしまいます。
はしかの最大の特徴は感染力の強さです。飛沫感染、接触感染だけでなく空気感染でも広がり、1人の感染者から約12人程度にうつると言われています。これは全ての感染症の中でも最強レベルであり、ワクチン接種以外での予防は困難です。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症してしまいます。ワクチンは、1回接種することで約95%、2回の接種でほぼ全員が免疫を獲得できます。
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