最新情報
2009.12.03ワクチン・シンポジウムの報告
【開催概要】
●日時:2009年7月16日(木) 開場13時30分 / 開始14時 / 終了16時30分
●会場:国連大学 ウ・タント国際会議場
●参加者:一般参加239名 / 当日ボランティア41名
●参加費:無料(レセプションは会費制2000円・事前振込制)
●主催:認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを日本委員会
●共催:国連児童基金(ユニセフ)東京事務所・財団法人日本ユニセフ協会
●後援:外務省・厚生労働省・東京都・港区
●協力:日本航空・株式会社ビデオプレス・有限会社C.N.G・福岡ソフトバンクホークス株式会社
【プログラム】
●開会の挨拶 JCV事務局長 新井俊郎
●JCV紹介VTR(ナレーション付)
●JCV活動紹介
●講演
WHO(世界保健機構)メディカルオフィサー 進藤奈邦子さん
「世界と新興・再興感染症 新型インフルエンザの現場から
ユニセフ・ミャンマー事務所 保健栄養部長 国井修さん
「途上国で子どもを救うために ワクチンの果たす役割と展望」
国立国際医療センター研究所
呼吸器疾患研究部細菌性呼吸器疾患研究室長 桜田紳策さん「ワクチンって何だ? 世界と日本におけるワクチンの歴史」
●パネルディスカッション
●閉会の挨拶 JCV理事長 細川佳代子
●講師の方々を交えてのレセプション
【出演者】
●進藤 奈邦子 WHO(世界保健機関)メディカルオフィサー
医師、医学博士。専門は内科、感染症学。インフェクション・コントロールドクター。東京慈恵会医科大学賢・高血圧内科および感染症内科医局員を経て、1998年より国立感染症研究所感染症情報センターリサーチ・レジデント、2000年主任研究官。2002年よりWHO(世界保健機構)、感染症アウトブレーク警戒対策、危険病原体に対する感染制御などの担当を経て現在に至る。
●國井 修 ユニセフミャンマー事務所 保健栄養部長
病院・僻地診療所勤務の傍ら、AMDAの副代表として、組織創設と国内外での活動、特にソマリアやバングラデシュなどでの緊急医療援助に従事する。ハーバード公衆衛生大学院卒業後、国立国際医療センター派遣協力課に勤務し、母子保健、感染症対策、地域保健プロジェクト、国際緊急援助隊(JMTDR)での医療援助など年間約10カ国に派遣。その後、東京大学大学院国際地域保健学(講師)、外務省経済協力局調査計画課(課長補佐)、長崎大学熱帯医学研究所(教授)、国連児童基金(ユニセフ)ニューヨーク本部(シニア保健政策アドバイザー)を経て現職。
●櫻田 紳策 国立国際医療センター研究所 呼吸器疾患研究部細菌性呼吸器疾患研究室長
東京大学医科学研究所感染症研究部、米国国立衛生研究所国立癌研究所(NIH-NCI)、名古屋市立大学分子医学研究所、日本医科大学老人病研究所を経て、2000年より国立国際医療センター国際医療協力局に勤務。2001-2004年まで中国、パキスタンにおいてポリオ根絶事業、新生児破傷風制圧事業に関わった。2005年より現職。専門は、感染症学と感染免疫学。現在、薬剤耐性結核とHIV合併結核を主な研究対象としている。
●山元 香里 キャスター/フリーアナウンサー
「創立15周年記念 JCV ワクチン・シンポジウム」はJCVとして初めて試みた大きな企画でした。
日本と海外の感染症予防の最前線で戦っている3人の専門家の、現場からの報告と、ワクチンをとりまく事情、将来への展望を来場者とともに考える機会として、国連児童基金(ユニセフ)東京事務所・財団法人日本ユニセフ協会との共催で外務省・厚生労働省・東京都・港区の後援で行い、300名以上の方々が参加されました。
■開会のあいさつ
まず、JCVの15年間の活動をまとめた映像が上映された後、「開会のあいさつ」として、JCV事務局長新井俊郎より、ご来場の皆さまに、JCV創立のきっかけを説明しました。
1993年11月国立京都国際会館会議場での「子供ワクチン世界会議」について今回見つかった当時のニュース映像を見ながらJCVのワクチン支援活動の経緯、またシンポジウムのテーマとなる「ワクチン」の言葉の意味とその起源についてお話しました。
櫻田紳策さん
「ワクチンって何だ? 世界と日本におけるワクチンの歴史」
講演は、最初にJCVの長年の協力者である、「櫻田先生」にお話し頂きました。
テーマに基づき「ワクチン」とは何か?について説明された後、感染症と人類の歴史について、「痘瘡」の事例を元に話されました。
その後ワクチン自体の歴史に触れ、ワクチンの持つ今日的意義について、また感染症を防ぐ上での新しい視点として、「感染しない」ではなく、「他人に感染させない」という考え方に触れ、関心を持つことの大切さと、平和であることが予防接種事業の成功へ繋がる大前提であることを話されました。
國井修さん
「途上国で子どもを救うために ワクチンの果たす役割と展望」
JCVのミャンマー支援に欠かせない存在である國井先生には、櫻田先生のお話しを受けてワクチンが具体的にどのような役割を世界で果たしていくのか、そしてそのための問題点は何なのか、感染症予防の現場の写真を見ながらお話し頂きました。
「ワクチン」によって死亡率が低下してきたこと、それでも何千、何万という単位で「感染症」により命を落とす子どもがいることについて触れられました。また、「紛争」や「自然災害」の問題や、「行政の予算」、「現場からのデータが適正でない」、「母親の知識不足」など、ワクチンさえあれば救える命が救えない要因について話されました。最後に現場からの感想として、日本のドナーと、JCVとミャンマーの人々が暖かい気持ち(「ウォームチェーン」)で繋がっていることで継続的な活動が出来ているという話しで結ばれました。
進藤奈邦子さん
「世界と新興・再興感染症 新型インフルエンザの現場から」
WHOメディカルオフィサーであり、JCVの「スペシャルサポーター」の進藤先生には、WHO(世界保健機関)の存在意義と役割について、また「新型インフルエンザ」の現場からの報告などについてお話し頂きました。
ダスティン ホフマン主演の映画のワンシーンを見ながら新型インフルエンザの現場で起きている「アウトブレーク(通常蔓延していない病気が一定期間の中で多数発症すること)」について説明された後、「エボラ出血熱」の事例を元に感染症拡大の原因と対策方法について話されました。次に、「パンデミック・インフルエンザ」について、過去に起きた「スペイン風邪」や「ホンコン風邪」の事例を元に戦争との死亡者数の比較などを通して脅威について分かりやすく説明されました。そして最後に、「インフルエンザ」と「ワクチン」の関係、必要性について話されました。
講演を聞いての質問や感想を参加者の方々から集め、「パネルディスカッション」の中で質疑応答を行いました。
最初に、事務局長の新井が3先生の講演のまとめを行い、その後会場から集まった質問について先生方それぞれのお立場でご回答頂きました。
会場には若い世代の参加者もおり、ワクチンに関する質問以外にも、「学生時代にどのような場所に行ったり、ボランティア活動に参加するなどの経験をしたか」という質問もあり、先生方のプライベートな生活に迫る話しもありました。
最後に先生方からJCVに対して今後の期待を含めてご意見を頂きました。
シンポジウムの最後に理事長の細川佳代子からご来場の皆さまにご挨拶致しました。まずは、講演してくださった3人の先生方に御礼を申し上げ、次に15年前にJCVが誕生したきっかけについて話しました。
日本も昔海外からの支援で助けられた時期があったこと、「小児マヒ」が蔓延して恐ろしい思いをしたことなどについて話しをした後、「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」創立の経緯を話しました。
また、自身の経験を通して「支援させて頂く側」、「支援を受ける側」のお互いが「感謝の気持ち」を持って関係を続けて行くことがJCVの活動であり、これからも皆さまと共に活動の輪を拡げていきたいと改めてよびかけました。